ITパスポート 過去問
令和7年度
問16 (ストラテジ系 問16)

不正アクセス禁止法に関する問題です。

不正アクセス禁止法は法令が示す通り、不正にアクセスする行為を禁止する法律です。

不正にアクセスする行為とは、第三者しか見れないサイトなどを不正な方法で閲覧することです。

この法律は不正アクセスを直接禁止するだけでなく、不正アクセスの原因を意図的に作る行為も

禁止されています。

a　　正当な理由なく本人に無断で第三者に提供する。

不正アクセス禁止法に該当します。
b　　他人の電子メールの利用者IDとパスワードを無効にするマルウェアを作成する。

不正指令電磁的記録作成罪に該当します。
c　　本人に無断で使用して、メールサーバ上の電子メールを閲覧する。

不正アクセス禁止法に該当します。

したがって、正解はa,cになります。

まず、不正アクセス禁止法が禁止している行為とは次のようなものと考えられます。

・他人のIDやパスワードを無断で使ってネットワーク経由でシステムに侵入する不正アクセス行為

・その不正アクセスを助長する行為

各選択肢がどちらかに該当しないかを判断していくようにしましょう。

a. 正当な理由なく本人に無断で第三者に提供する。

このような行為は、不正アクセスを助長する行為に該当します。

他人のIDやパスワードを、不正アクセスに使われるかもしれないと知りながら、第三者に提供する行為は、不正アクセスの手助けになるからです。

そのため本選択肢は適切です。

b. 他人の電子メールの利用者IDとパスワードを無効にするマルウェアを作成する。

一見すると、不正アクセスに該当すると判断しそうですが、重要なひっかけの選択肢です。

マルウェアを作成する行為は犯罪です。

しかし、これは不正アクセス禁止法ではなく、刑法の不正指令電磁的記録作成罪によって規制されています。

そのため不正アクセス禁止法で規制されているか否かを問う本問では、不適切ということになります。

c. 本人に無断で使用して、メールサーバ上の電子メールを閲覧する。

選択肢の内容は、不正アクセス行為そのものです。

そのため本選択肢は適切です。

正しい選択肢の組み合わせは、　aとc　です。